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キャッチコピーのパターン

B2B SaaSトップページのヒーローエリアに掲載されるキャッチコピー(h1見出し)を分析したところ、大きく5つのパターンに分類できることがわかりました。68サイトのキャッチコピーを体系的に整理し、それぞれの特徴と効果を解説します。

1. 数値訴求型(15サイト / 22%)

導入社数、シェアNo.1、利用者数、価格(0円・無料)など、具体的な数値をキャッチコピーの冒頭で打ち出すパターンです。数値は客観的な事実として信頼性を即座に伝えられるため、B2B SaaSでは最も多く採用されています。

該当サイト

サービス名キャッチコピー
BowNow導入企業16,000社 手軽に使えるMAツール
Chatwork国内利用者数No.1 中小企業向けビジネスチャット Chatwork
ジョブカン勤怠管理業界No.1 クラウド勤怠管理システム
KING OF TIME市場シェアNo.1の勤怠管理・人事給与システム キングオブタイム
Salesforce世界No.1 AI CRM、Salesforce
ANDPAD【シェアNo.1】施工管理アプリ ANDPAD
LegalForce導入者数No.1 AI契約書レビューはリーガルフォース
GMOサインもっとも使われている電子契約サービス
KARTE国内最大級の1st Partyカスタマーデータ基盤
Airレジ0円でカンタンに使えるPOSレジアプリ
ペライチ初期費用0円、ページ完成までわずか30分 ホームページ作成はペライチ
スマレジiPad・iPhone・iPod touchアプリを使った無料で使えるPOSシステム
Talent Paletteタレントマネジメントなら タレントパレット
カオナビ個の力を最大化するタレントマネジメントシステム カオナビ
Musubu出会うべき企業と、今つながる

特徴と傾向

「No.1」「シェアNo.1」が最も多い数値訴求パターンであり、68サイト中少なくとも7サイトがヒーロー見出しにNo.1を明記しています。勤怠管理や電子契約など、競合が激しいカテゴリで特に顕著です。「0円」「無料」のコスト訴求はSMB向けサービスに多く、POSレジやホームページ作成など個人事業主もターゲットに含むサービスで目立ちます。

スクリーンショット例

Chatwork

Chatwork

Chatwork

ジョブカン勤怠管理

ジョブカン勤怠管理

ジョブカン勤怠管理

GMOサイン

GMOサイン

GMOサイン


2. カテゴリ定義型(14サイト / 21%)

「〜のための〜」「〜システム」「〜プラットフォーム」など、サービスカテゴリとサービス名を明確に提示するパターンです。訪問者に「何のサービスか」を一目で理解させることを重視しています。

該当サイト

サービス名キャッチコピー
カオナビ個の力を最大化するタレントマネジメントシステム カオナビ
COMPANY大手法人向け統合人事システム COMPANY
Talent Paletteタレントマネジメントなら タレントパレット
カミナシ現場DXプラットフォーム「カミナシ」
Talknote情報共有プラットフォーム Talknote
Kibelaナレッジ共有ツール Kibela
Movable TypeCMS プラットフォーム Movable Type
サイボウズ Officeサイボウズ Office
SATORI見込み顧客を増やす マーケティングオートメーション「SATORI」
カイポケはじめやすく、ずっと使える 介護・看護・障害福祉ソフト「カイポケ」
openpage購買体験を科学するデジタルセールスルーム
PCAクラウドPCAクラウドは、インターネット経由で基幹業務ソフトを利用できるサービスです。
desknet's NEO業務改善の可能性が無限に広がる ノーコードツール一体型グループウェア desknet's NEO
CollaboFlow直感的に使える高機能ワークフローシステム

特徴と傾向

サービス名とカテゴリ名の組み合わせが基本形です。「タレントマネジメントシステム」「勤怠管理システム」「ワークフローシステム」などのカテゴリキーワードを含むケースが多く、SEO(検索エンジン最適化)との相性が良い点が特徴です。市場カテゴリが明確なサービスや、ニッチ市場でのポジション確立を狙うサービスに多く見られます。openpageの「デジタルセールスルーム」のように、新しいカテゴリを定義するケースも注目されます。

スクリーンショット例

カミナシ

カミナシ

カミナシ

Kibela

Kibela

Kibela

カイポケ

カイポケ

カイポケ


3. 課題解決型(13サイト / 19%)

ユーザーが抱える課題や悩みに言及し、その解決を約束するパターンです。「自動化」「効率化」「一元化」などの動詞を用いて、サービスがもたらす変化を端的に伝えます。

該当サイト

サービス名キャッチコピー
HelpfeelFAQ・AIチャットボット・VoC分析が完結 AIが社内外の疑問を即解決
invox受取請求書受取請求書の入力・支払・計上をぜ〜んぶ自動化!
楽楽精算申請から承認、処理・保存まで 毎月の経費精算業務、脱・紙Excelで効率化
ferret One少人数でも回せるBtoBリード獲得なら
ContractS CLMあらゆる契約業務を一元管理で最適化
DocuSignスマートな契約管理でビジネスをもっと速く確実に
トヨクモすべての人を非効率な仕事から解放する
Bill One『なくせる』をつくり、全社の働き方を変える
HubSpotマーケティング・営業・カスタマーサービスを一元化
Sansan名刺管理から、収益を最大化する
eセールスマネージャー営業活動が見える!進む!決まる!CRM/SFA eセールスマネージャー
freee確定申告するなら、freee いますぐ!無料で登録
クラウドサイン電子契約から気軽に始めるDX

特徴と傾向

「自動化」「効率化」「一元化」「最適化」など、動詞で終わるパターンが多く見られます。業務の具体的な課題(経費精算、請求書処理、契約管理など)に直接言及するため、ターゲットユーザーの共感を得やすいのが特徴です。特にバックオフィス系サービス(経費精算、請求書、契約管理)に多く、ユーザーが抱える日常的な業務課題を起点にした訴求が効果的に機能しています。

スクリーンショット例

invox受取請求書

invox受取請求書

invox受取請求書

楽楽精算

楽楽精算

楽楽精算

HubSpot

HubSpot

HubSpot


4. ブランドメッセージ型(10サイト / 15%)

機能や数値ではなく、ミッション的・感情的な表現でブランドの世界観やビジョンを伝えるパターンです。短く印象的なフレーズで、サービスの哲学を訴求します。

該当サイト

サービス名キャッチコピー
SmartHRデータで導く スマートな人事へ
jinjer正しい人事データで 組織の"勘"を"確信"に変える
Kintoneみんな、つくれる。
LINE WORKSAIとともに、働き方の未来を創る。
ScrapboxShare Experience, Make Co-sense, and Go!
SlackSlack はチームの知恵が集まる場所
HRMOS人事・バックオフィスを進化させる ハーモスシリーズ
esa情報を、育てたい。
Musubu出会うべき企業と、今つながる
kickflowシンプルなのに、多機能。

特徴と傾向

「〜へ」「〜を創る」「〜な場所」といった未来志向の表現が多く、機能説明よりも世界観で差別化を図ります。ブランド認知度が高いサービス(Slack、Kintone)や、開発者向けツール(esa、Scrapbox)に多い傾向があります。HR系サービスでは「データ」を軸にした変革メッセージ(SmartHR「データで導く」、jinjer「"勘"を"確信"に変える」)が目立ちます。

スクリーンショット例

Slack

Slack

Slack

esa

esa

esa

Scrapbox

Scrapbox

Scrapbox


5. 機能・価値直接訴求型(11サイト / 16%)

AIや特定技術、具体的な機能や価値を直接的に打ち出すパターンです。2025〜2026年のトレンドとして、「AI」を含むヒーロー見出しが急増しています。

該当サイト

サービス名キャッチコピー
Asana人と AI が協働するプラットフォーム
バクラクAIエージェントで業務を完全自動化する
ClickUpEvery app. Every team. Unlimited AI Agents.
Microsoft TeamsAI 搭載の Microsoft Teams を利用して、毎日の生産性を最大化しましょう
JiraAI 環境のためのプロジェクト管理ツール
Sales Markerインテントセールス×自立型AIで、効率的に質の高い商談を獲得
Mazrica Sales誰でも使える、誰でも成果を出せる SFA/CRM
b→dashデータマーケティングを もっと スマート に
SHANON最先端のやりたいマーケティングを、誰でも成果がでるカタチに
rakumo仕事が「ラク」に、もっと「前」へ。使われ続けるグループウェア
MiiTelAI-powered analytics that increase sales performance

特徴と傾向

調査対象68サイト中、少なくとも12サイト以上がヒーローに「AI」を含んでおり、2025〜2026年の大きなトレンドとなっています。特にグローバル製品(Asana、ClickUp、Microsoft Teams、Jira)でAI訴求が顕著であり、国内SaaSもバクラク(AIエージェント)、Sales Marker(自立型AI)と追随しています。「AIエージェント」というキーワードが2026年の最新トレンドとして浮上している点は注目に値します。

スクリーンショット例

バクラク

バクラク

バクラク

ClickUp

ClickUp

ClickUp

SHANON

SHANON

SHANON


パターン分布のサマリー

68サイトのキャッチコピーを分類した結果、以下のような分布となりました。

パターンサイト数割合
数値訴求型1522%
カテゴリ定義型1421%
課題解決型1319%
機能・価値直接訴求型1116%
ブランドメッセージ型1015%
その他57%

上位3パターン(数値訴求型・カテゴリ定義型・課題解決型)が全体の62%を占めています。一部のサイトは複数のパターンにまたがっています(例:BowNow = 数値訴求 + カテゴリ定義、Salesforce = 数値訴求 + 機能・価値直接訴求)。「その他」にはAdobe Marketo(ブランド名のみ)、TOKIUM(ロゴ画像のみ)、STUDIO(英語ブランドメッセージ)などが含まれます。

実践的なアドバイス

どのパターンを選ぶべきか

キャッチコピーのパターン選択は、サービスの成長段階や市場環境に応じて判断することが重要です。

市場での実績がある場合 → 数値訴求型

「No.1」「導入XX社」などの具体的な数値は、訪問者に対する強力な信頼シグナルとなります。ただし、根拠のない数値訴求は景品表示法に抵触するリスクがあるため、第三者調査に基づく裏付けが必要です。

新規カテゴリを開拓する場合 → カテゴリ定義型

市場がまだ確立されていないサービスでは、「〜プラットフォーム」「〜システム」のようにカテゴリ名を明示することで、訪問者が「何のサービスか」を即座に理解できます。SEOの観点からも、カテゴリキーワードを含むことで検索流入を獲得しやすくなります。

ターゲットの課題が明確な場合 → 課題解決型

経費精算、請求書処理、契約管理など、ユーザーが日常的に感じている課題が明確な場合に効果的です。「〜を自動化」「〜を効率化」のように、課題と解決策を一文で伝えることで、ターゲットユーザーの共感を即座に得られます。

ブランド認知度が高い場合 → ブランドメッセージ型

Slack、Kintoneのようにすでに高いブランド認知度を持つサービスでは、機能説明よりもビジョンや世界観で差別化を図る方が効果的です。ただし、認知度の低いサービスがこのパターンを採用すると、「何のサービスかわからない」という印象を与えるリスクがあります。

最新技術を強みとする場合 → 機能・価値直接訴求型

AI機能を差別化ポイントとするサービスが増えている2026年現在、「AI」「AIエージェント」といったキーワードは訪問者の注目を集めやすくなっています。ただし、AIが一般化するにつれて差別化効果は薄れていくため、AI以外の具体的な価値と組み合わせることが重要です。

共通するベストプラクティス

  • 簡潔さを優先する: 一文で理解できるキャッチコピーが理想です。長すぎるメッセージはファーストビューでの訴求力を弱めます。
  • ターゲットを意識する: 大企業向けなら「統合」「一元管理」、SMB向けなら「0円」「カンタン」のように、ターゲット層に響く言葉を選びましょう。
  • 定期的に見直す: 市場環境やトレンドの変化に合わせて、キャッチコピーは定期的にアップデートすることが重要です。AI訴求の急増がその好例です。