調査結果サマリー
調査規模
本調査では、国内外のB2B SaaSサービスサイト62サイトのトップページを対象に、セクション単位での横断分析を行いました。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 調査完了サイト数 | 62サイト |
| セクション総数 | 563セクション |
| 1サイトあたり平均セクション数 | 9.1セクション |
| セクション数の中央値 | 9セクション |
| セクション数の範囲 | 1 - 18セクション |
| セクション分類(タグ種類数) | 34種類 |
各サイトのトップページをスクロールしながらセクション単位に分解し、それぞれに役割を示すタグを付与しました。「ファーストビュー」「機能紹介」「導入事例」「CTA」など、B2Bサイトに共通するセクションの役割を34種類に体系化しています。
定番コンテンツランキング(採用率 上位20)
各セクションタグを1つ以上持つサイトの割合を「採用率」として算出しました。以下が採用率の上位20セクションです。

| 順位 | セクション | 採用サイト数 | 採用率 | カテゴリ |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ファーストビュー(hero) | 62 | 100.0% | メインコンテンツ |
| 2 | 機能紹介(features) | 42 | 67.7% | メインコンテンツ |
| 3 | CTA(cta) | 42 | 67.7% | CTA・導線 |
| 4 | 導入事例(case-studies) | 35 | 56.5% | 信頼・実績 |
| 5 | 導入実績・数値(social-proof) | 31 | 50.0% | 信頼・実績 |
| 6 | お知らせ(news) | 31 | 50.0% | コンテンツ |
| 7 | サービス概要(service-overview) | 28 | 45.2% | メインコンテンツ |
| 8 | お役立ち資料(resources) | 25 | 40.3% | コンテンツ |
| 9 | 選ばれる理由(why-chosen) | 23 | 37.1% | メインコンテンツ |
| 10 | 料金プラン(pricing) | 22 | 35.5% | メインコンテンツ |
| 11 | サポート体制(support) | 21 | 33.9% | 導入支援 |
| 12 | 価値提案(value-proposition) | 19 | 30.6% | メインコンテンツ |
| 13 | よくある質問(faq) | 18 | 29.0% | コンテンツ |
| 14 | 製品ラインナップ(product-lineup) | 17 | 27.4% | メインコンテンツ |
| 15 | セミナー・ウェビナー(seminar) | 12 | 19.4% | コンテンツ |
| 16 | 課題解決(problem-solution) | 12 | 19.4% | メインコンテンツ |
| 17 | 活用シーン(use-cases) | 9 | 14.5% | メインコンテンツ |
| 18 | 導入の流れ(onboarding-flow) | 9 | 14.5% | 導入支援 |
| 19 | 外部連携(integrations) | 7 | 11.3% | 導入支援 |
| 20 | 導入企業ロゴ(client-logos) | 7 | 11.3% | 信頼・実績 |
採用率から見る3段階の分類
必須セクション(採用率50%以上)
ファーストビュー、機能紹介、CTA、導入事例、導入実績・数値、お知らせの6種類です。この6つが、B2Bトップページの「骨格」を形成しています。
ファーストビューが100%であるのは当然ですが、機能紹介とCTAがともに67.7%で並ぶ点は注目に値します。「機能を見せて、コンバージョンへ誘導する」というB2Bサイトの基本構造を端的に示しています。
準必須セクション(採用率30 - 50%)
サービス概要、お役立ち資料、選ばれる理由、料金プラン、サポート体制、価値提案の6種類です。これらは、サービスの差別化方針やターゲット層によって採用の有無が分かれます。
特にサービス概要(45.2%)と価値提案(30.6%)は、ファーストビュー直後に「自分たちが何者であるか」を伝える役割を担います。どちらを選ぶかがサイトの性格を決める分岐点となっています。
選択的セクション(採用率10 - 30%)
よくある質問、製品ラインナップ、セミナー、課題解決、活用シーン、導入の流れなどです。サービスの特性やマーケティング戦略に応じて採用されます。
製品ラインナップ(27.4%)は複数プロダクトを持つサービスに、課題解決(19.4%)は課題起点のマーケティングを志向するサービスに多く見られます。
主要な発見 5点
1. ファーストビューの後の構成に多様性がある
全62サイト(100%)がファーストビューをページ冒頭に配置しています。しかし、その直後に何を配置するかには大きなバリエーションがあります。サービス概要(45.2%)、価値提案(30.6%)、導入実績(50.0%)、課題解決(19.4%)など、それぞれ異なる戦略が反映されています。ファーストビュー直後の選択が、サイト全体の構成パターンを方向づける分岐点になっています。
2. 「機能紹介 + CTA」がB2Bトップページの最小構成単位
機能紹介とCTAがともに採用率67.7%で2位タイとなっており、ファーストビューに次ぐ必須要素です。最小構成のサイト(STUDIO: 3セクション)も「ファーストビュー → 機能紹介 → CTA」という構成をとっており、これがB2Bトップページの最小構成単位であることを示唆しています。この3要素だけでもトップページとして成立しうるということです。
3. 信頼・実績系セクションはページ全体に分散配置される
導入実績・数値はページ内での配置位置の分散が大きく、様々な位置に配置されています。「導入社数」「企業ロゴ」などの信頼要素がファーストビュー直後の早い段階で示される場合と、機能紹介の後に補強材料として配置される場合の両方があります。一方、導入事例はページ後半に安定して配置される傾向があります。信頼構築の「数値」は早期に、「ストーリー」は後半に、という使い分けが見られます。
4. 日本のB2Bサイトはコンテンツマーケティング導線を重視
お知らせ(50.0%)、お役立ち資料(40.3%)、セミナー(19.4%)といったコンテンツ系セクションの採用率は高く、トップページからのリード獲得導線を重視する傾向が見られます。これらはいずれもページ後半に集中配置されています。特に国産SaaSでは「お知らせ + お役立ち資料」の組み合わせが定番化しています。
5. CTAの配置はページ末尾に偏るが、ページ中盤にも分布
CTAの中央値はページ最末尾ですが、多くのサイトがページ末尾に最終CTAを配置しつつも、ページ中盤にも中間CTAを挟んでいます。「スクロールしてもCTAが目に入る」設計が意識されており、複数回のCTA配置が一般的になりつつあります。